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|スープの意味
現在ではスープという言葉は一般的に広く使われており、ポタージュスープ、コンソメスープといった呼ばれ方をしますが、元々の意味では田舎風の汁物料理を指します。
野菜を加工肉などと一緒に鍋でゆっくりと煮込み、旨味が溶け出した汁にパンを浸して食べていたようです。
ヨーロッパでの伝統的な食事では、大きく焼き上げたパンを食事のたびに少しづつ切り分けて食べるのが一般的なので、少し硬くなったパンをスープに浸しパン粥のようにして食べていたと言います。
このような料理はそれぞれの国で、フランス語のsoupe ( スープ ) 、ドイツ語のsuppe ( ズッぺ ) 、スペイン語のsopa ( ソパ ) 、イタリア語のzuppa ( ズッパ ) と呼ばれていました。
|ポタージュとスープの違い
ポタージュ ( potage ) は、フランス語で鍋で煮込んだ汁物全般をさす言葉です。
pot(鍋)を使って、様々な食材を煮込んだものをポータージュと呼び、コンソメやビスク、ポトフなども全てポタージュに分類されます。
鍋で作る汁物全般をポタージュと呼び、スープ(田舎風の汁物)もその中の一つであると考えれば分かりやすいでしょう。
|ポタージュの分類
鍋で煮込んで作る汁物全般を指すポタージュですが、大きく分けて2つに分類されます。
それは、「澄んだポタージュ」、「濃度をつけたポタージュ」です。
①澄んだポタージュ ( potage clair : ポタージュクレール )
仔牛の骨でひいた出汁に牛ミンチ、香味野菜、卵白などを加えて澄ますコンソメ ( consomme )や、ブイヨン全般などが含まれる。
近年では、魚介類や、甲殻類などで作るコンソメもある。
②濃度をつけたポタージュ ( potage lie : ポタージュリエ )
濃度をつけたポタージュは作り方によって更に5つに分類されます。
ピュレ
野菜などをブイヨン、または水で煮込み裏漉しし、味を凝縮させ濃度をつけたもの。
スープ
田舎風の汁物。野菜や加工肉などが使われる。
ビスク
甲殻類と野菜を煮込みひいた出汁。
タイェ
野菜など、具材の形を揃えて煮込み、裏漉しせずにそのまま出すもの。
イタリアのミネストローネなどがそれに含まれる。
クレーム
小麦粉、バターで作ったルゥを使い、最後に生クリームで仕上げたもの。
本来は、でんぷん質の少ない素材に使われていたが、現在はそのリッチな風味を様々な素材に使うことも多い。
ブルーテ
卵黄や生クリームでとろみをつけたもの
|まとめ:私たちの解釈
日頃聞き慣れた言葉であるポタージュや、スープですが、フランス料理がその分類のベースになっています。
しかし、国が違ったり料理としての成り立ちが変わってくるとこの分類には収まりきれない汁物があるのも事実です。
日本の「味噌汁」、スペインの「ガスパチョ」なども良い例ですね。
Soup and Storiesでは、より皆様に親しんで頂けるよう「 スープ 」という言葉を使っています。
田舎風の素朴な、飾り気のないイメージも無理なく重なるからです。
ざっくりとした分類は理解しておき、メニューや食卓の雰囲気で使い分けてみるのも良いかもしれませんね。
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